お墓の字彫について、ご案内します。

字や家紋、絵などを彫る工程は、石と言う素材特有の加工技術になります。
サンド・ブラストとも言われるその方法は、細かい砂状の鉛を石にぶつけて、削っていきます。
その際、ただ、彫るのではなく、彫る深さに変化をつけて、字の形を、立体的に表現していきます。
筆で字を書くことと似た感覚で、字に表情を作り出していく字彫の技法は、日本独自のものと言えるでしょう。

お墓の字彫について、簡単にご説明します。
竿の正面は、そのお墓を象徴する内容を彫ります。
お墓の基本 和型については、受け継がれてきた彫り方、家名や先祖代々之墓 と言った内容を今でも彫っています。
近年は、洋型のスタイルの定着により、字彫の内容も変わりました。好きな言葉や漢字、横文字など比較的に自由に彫るようになっています。
また、外柵の形状の変化、敷地の制限などから、戒名については、墓誌や竿の脇後から、外柵の部品である、拝石や蓋板(霊殿板)などに彫る場合も増えています。
正面の字について
◆ 和型の正面字

縦書きの和型の場合は、従来の彫り方を継承するスタイルがほとんどです。
[先祖代々之墓] [〇〇家之墓]
家系の継承やその象徴として建てる場合は、この先祖代々之墓と彫る和型を選択する方も多いようです。
逆に、正面の字を従来のスタイル以外を検討される場合は、竿石自体を、洋型や和洋型を選択するケースがほとんどになります。
◆ 洋型の正面字

洋型の正面は、従来の型にとらわれず、自由に彫りたい、と希望される方に適していると言えます。欧米文化の浸透により、お墓の世界も、施主の好みに合わせて、横書き、横文字が増えています。
また、和型のような縦長の洋型、デザイン墓を作り、縦書きで「先祖代々之墓」で彫る場合もあり、お墓に対する自由な考え方は、施主やご家族の意向や個人に対する思いなどをさまざまな言葉で自由に表現する傾向に変化しています。
◆ 竿の裏側、側面に彫る内容
竿石には、必ず建てた方の名前を入れます。建立者のお名前と建てた年月です。
例えば、「平成〇〇年〇月吉日 加藤太郎建之」 と言う内容です。
彫る場所は、竿石の裏側が多いようですが、裏側に回ってみることができない場合は、側面に彫る場合もあります。
戒名について
以前は、墓誌や竿石に彫る場合が、ほとんどでした。
現在は、敷地面積も小さくなる傾向があり、戒名を彫る場所も変化しています。
戒名の彫る位置により、お墓のデザインを検討する場合もあります。
[1] 竿石の裏側
和型の場合は、側面でも同じですが、洋型の場合は、側面よりも裏側が広くなるため、裏側を選択する場合があります。
ただ、敷地によっては、裏側に回ってみることができないケースもあります。そのような場合は、別の場所をご検討することをおすすめします。
どなたが永眠されているか、目視できる形は、お参りに来られる方への配慮だと、考えます。
[2] 墓誌
ご戒名を多く彫らなければならない場合などは、設置が可能であれば、墓誌に彫ることをおすすめします。
将来的な事を考慮しながら、墓誌の大きさなども含め、ご検討される方が良いでしょう。
[3] その他の場所

当社、ご案内の【つくば大井霊園】の「ゆとり1㎡」のように、比較的に小さい敷地の場合は、竿の裏側も選択の一つになりますが、戒名は、比較的、見やすい位置に、と言う考えから、最近は、外柵の一部である蓋板(霊殿板)や、拝石などに、戒名を彫るケースも増えています。
拝石に横字で彫るのであれば、字の大きさは、問題ありませんが、蓋板のような小さい部分に彫る場合は、字も小さくなるため、見づらくなってきます。
そのため、蓋石の素材だけ、黒系統の石に替える、あるいは、字に色を入れるなどの工夫することをおすすめします。ご参考下さい。
家名、家紋について
◆ 家名

外柵の彫る場合は、親柱、袖石など、正面にある部品に彫る場合が多いようです。絵の親柱のように、直接彫る方法と、黒い石で表札を作り、はめ込む方法があります。
また、霊園によって、規定により区画番号などを彫るように指定さている場合もあります。
尚、墓石に、家名を入れる場合もあるので、家名を必ず外柵に彫る必要がある、と言うことはありません。墓石に家名を入れない場合は、他の場所に彫ることは、お参りされる方にとっては、親切な対応になるな相もあるようです。
◆ 家紋

家紋についても、彫る場所は、墓石から外柵まで、様々になります。
通常、墓石に彫る場合は、竿石の上部、花立、水鉢、和型であれば上台も、選択に含まれてきます。比較的に多い場所は、花立になります。
また、外柵に彫る場合もあります、その場合は、親柱などの正面を向いた部品に彫ります。表札同様に、黒い家紋用の石に彫って、はめ込む場合もあります。
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